自動車産業に特化した品質マネジメントシステムであるIATF16949など、産業界における各種規格の認証取得・維持に係る計測器管理において、ILAC MRA対応のISO/IEC 17025校正(国際規格ISO/IEC 17025「試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項」に適合していると認定された校正機関が行う校正のことをいう)が求められることが増えてきています。
ISO/IEC 17025校正については、校正事業者がNITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)やJAB(公益財団法人 日本適合性認定協会)を始めとする第3者機関の審査によって校正範囲におけるトレーサビリティの確認が行われることから、認定シンボルマークが付いた校正証明書についてはトレーサビリティが確保されている証明となります。
しかしながら、ISO/IEC 17025校正が開始した当初は、認知度の低さから各種規格の認証取得・維持審査の際に認証機関の審査員からILAC MRA対応の校正証明書であってもトレーサビリティ体系図の提示を求められるケースが多かったようです。そのため、各種規格において使用する計測器に関しては校正試験のご依頼時に本来必要のないトレーサビリティ体系図も併せて要望せざる得ないお客様が多くおられました。現在ではISO/IEC 17025校正が広く周知されてきたことからトレーサビリティ体系図を求められるケースは減ってきているようですが、トレーサビリティ体系の確認を求められるお客様につきましては、引き続きトレーサビリティ体系図の発行が可能ですので、ご用命の際はお気軽にお問合せください。
また近年では、認証機関がISO/IEC 17025校正を依頼した校正機関の適切性(力量)を評価した結果を確認するケースが増えてきているようで、私どもにも認定範囲及び校正測定能力(CMC)の確認として校正事業者認定証の写しについてお問合せを頂くことが増えております。これは、校正依頼している機器の仕様やお客様の管理基準に対して、校正事業者の能力が適切かどうか確認するためだと思われますが、JEMICのホームページにはISO/IEC 17025校正であるJCSS校正とJAB校正の認定証を掲載しておりますので、ご用命の際はダウンロードしてご利用ください。
(2024.4 T)
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