磁気に関する単位である「Wb:ウェーバ」や「T:テスラ」は、それぞれ国際単位系(SI)に定められた磁束と磁束密度の単位です。
これらの量を計測するために、磁束ではフラックスメータを、磁束密度ではテスラメータ(又はガウスメータ)が広く利用されています。これらの計測器は、ニッケル等の磁性材料の評価、鉄等の残留磁気の検査、又は食品の金属異物除去に使用される磁石の検査等さまざまな用途で活用されています。更に、電気モータのような磁気応用製品の開発にも欠かせない計測器です。
磁気に関するJEMICの校正サービスにおいては、特にテスラメータ(ガウスメータ)の校正を数多くご利用いただいています。このテスラメータ(ガウスメータ)は、先端にホールセンサが組み込まれたプローブが付属されていることが多いです。ホールセンサは、磁場の方向に敏感であるため、測定する磁束密度に対するホールセンサの設置角度が重要となります。そのため、プローブの位置調整をできるだけ厳密に行う必要があります。また、プローブは非常に薄く、わずかな力でも破損する可能性があるため、取り扱いには十分な注意が求められます。万が一、プローブを破損すると、正確な計測ができなくなりますので、プローブに不具合が無いか定期的に確認することも重要となります。更に、機器の確認と併せて定期的な校正を行うことが正確な磁気計測に維持するためには欠かせません。
なお、現在、国内には磁気標準として単独の計量標準は存在しません。そこで、JEMICでは核磁気共鳴形(NMR)磁力計やJEMICで開発した単掃引正弦波電圧発生器等を活用して電圧標準及び時間・周波数標準等の組立量で磁気標準を確立しています。さらに、定期的に海外の校正機関と国際比較を行うことで標準の維持を行っています。
JEMICでは、2016年11月より磁束密度、2021年6月より磁束のJCSS校正を国内で最初に開始しました。磁束密度及び磁束のJCSS校正、また、その他磁気に関する計測器の校正をご検討される際は、是非一度、お問い合わせください。
(2025.1 M)
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