IATF 16949 自動車産業品質マネジメントシステム規格は、自動車産業の生産部品及び関連するサービス部品の組織に対する基本的品質マネジメントシステム要求事項を定めています。
IATF 16949は、2016年10月にIATF(国際自動車産業特別委員会)が作成したセクター規格で、VDA(ドイツ自動車工業会)規格のみで要求されていたものを含む自動車産業固有の要求事項が幾つか新規に追加されています。また、以前のISO/TS16949とは異なり、ISO9001:2015と共に利用することが必要となっています。
IATF 16949への移行に伴い、規格内の試験所要求事項についても改訂されており、内部試験所、外部試験所及び計測器製造事業者が実施する検査、試験又は校正サービスに対する能力について要求事項が厳しくなっています。
例えば、内部試験所について、ISO/TS16949では、「ISO/IEC17025に認定されていることが必須ではない。」となっていましたが、IATF 16949では、「必須ではない」という文章が削除されています。
外部試験所については、要求される検査、試験又は校正サービスを実行する能力を含む、定められた適用範囲を持たなければならなくなっています。すなわち、IATF 16949では、今まで検査、試験又は校正サービスを依頼していた試験所が、ISO/IEC17025又はこれに相当する国内基準に認定されていることは当然のこと、その検査、試験又は校正サービス内容が全てISO/IEC17025の認定を受けている適用範囲であることまでも求められています。
また、ある機器に対して認定された試験所を利用できない場合は、製造業者で校正サービスを受けても良いことにはなっていますが、ISO/TS16949では、「内部試験所で規定されている要求事項を満たすことが望ましい」というのが、IATF16949では、「内部試験所で規定されている要求事項を満たすことを確実にしなければならない。」と厳しく変わっています。
つまりは、内部、外部に関わらず試験所は、ISO/IEC17025又はこれに相当する国内基準に認定されていることが重要であり、さらにその適用範囲も厳しく見られることとなっています。
以上のことから、今まで内部試験所で実施していたものを外部試験所に依頼したい、今まで校正を依頼していた事業者が必要な範囲でISO/IEC17025を取得していないので別の試験所を探している、メーカーの一般校正からの移行を検討したいなど、校正サービスでお悩みの方は一度JEMICへお問い合わせください。
(2017.7 N)
計測器の校正業務
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