テクニカルコラム

高調波電圧・電流測定器のJAB校正について

本社において、ディジタルパワーメータ等で高調波電圧及び高調波電流を計測できる機能を有する機器に対して、JAB認証による国際規格ISO/IEC 17025に適合した校正を実施しております。
 スイッチング電源などのコンデンサインプット型電源では、対策を行わない場合には高調波電流を発生し、機器の誤動作や電力系統に接続するコンデンサ等の発熱が問題となるため、当該機器を製造する事業者に向けては、JIS C 61000-3-2などにより、高調波電流発生限度値を設けています。
 また、自家発電による電力の売電に伴い機器を設置する事業者に向けては、電力系統への高調波電流の流出を低減する目的で、高調波抑制対策技術指針が制定されています。
 高調波電流の算出に関しては、高調波抑制対策ガイドラインなどにより接続される機器等から所定の計算書により高調波流出電流を求めることが多いと思いますが、ISO/IEC17025校正された機器の使用により実際に発生している高調波成分を正しく測定する際にご利用ください。

 

校正範囲及び校正の不確かさ

   

                          画像提供:横河計測㈱ WT5000                                                                                画像提供:日置電機㈱ PW6001

(2020.7 T)



JAB校正

JAB校正とは、公益財団法人 日本適合性認定協会(以下、JAB)により、国際規格「ISO/IEC 17025(試験及び校正機関の能力に関する一般要求事項)」に適合している校正機関として認定された当所が行う校正のことを指します。

JABは、1993年11月、日本工業標準調査会の答申に基づき、社団法人経済団体連合会の主導の下、35の産業団体から基本財産の出捐を受け、当初「財団法人日本品質システム審査登録認定協会」の名称で発足した品質マネジメントシステム認証制度における認定機関です。2010年7月に公益法人制度改革関連3法に基づき、現在の名称「公益財団法人日本適合性認定協会」として新たに発足しました。

JAB校正で発行されたJAB認定シンボル(MRA複合シンボル)付校正証明書は、ILAC MRA(国際試験所認定協力機構の相互承認取り決め)マークが付されており、JCSS校正で発行する校正証明書と同等となっています。

目次へもどる
ページトップへ移動