技術の発展に伴い、産業界でも大電流を取り扱う場面が増えつつあります。これら大電流の測定には変流器がしばしば用いられます。
変流器はCT(Current Transformer)ともいい、回路に流れる大電流を扱い易い大きさの電流に変換する機器であり、回路に流れる大電流の測定などに用いられています。一般に、変流器を使用する場合は、変流器の一次側に測定したい電流、二次側に変換された扱い易い大きさの電流が流れるよう回路を設置します。
JIS C 1731-1:1998計器用変成器-(標準用及び一般計器用)第1部:変流器では、商用周波数範囲において定格一次電流は30 000Aから0.25A、定格二次電流(扱い易い大きさの電流)は5A、1Aと定められ、確度階級として0.1級及び0.2級を標準用、0.5級、1.0級、3.0級を一般計測用と呼称しています。
変流器の性能を示すものに比誤差(%)、位相角(分)があります。
比誤差とは、真の変流比(測定で得られた一次側電流と二次側電流との比)が公称変流比(定格一次電流と定格二次電流との比)に等しくないことから生じる誤差のことで、次式で表される値です。
ε= Kn – K K ×100
ε: 比誤差 (%)
Kn:公称変流比
K :真の変流比
位相角とは、 一次電流ベクトルと二次電流ベクトルとの間の位相差をいいます。二次電流ベクトルが進む場合の位相角を正とし、分(1度の1/60)で表します。
JEMICにおいては、変流器の比誤差(%)及び位相角(分)の校正を実施しております。JCSSロゴマーク付の校正証明書を発行することも可能ですので、変流器の校正をご検討される際は、是非一度、お問い合わせください。
(2023.10 S)
実施場所 | 種類 | 校正条件 |
電流 (定格一次電流) |
拡張不確かさ (信頼の水準約95 %) |
本社 | JCSS校正 |
周波数 50 Hz、60 Hz 二次負担 100 VA ~ 2 VA (5 A) 力率 1 |
12 kA 以下 5 mA 以上 |
比誤差 0.006 % 位相角 0.2 分 |
中部支社 | JCSS校正 |
周波数 50 Hz、60 Hz 二次負担 50 VA~5 VA(5 A) 二次負担力率 1 |
200 A以下 0.1 A以上 |
比誤差 0.02 % 位相角 0.6 分 |
4 000 A以下 200 A未満 |
比誤差 0.02 % 位相角 0.9 分 |
|||
関西支社 | JCSS校正 |
周波数 50 Hz、60 Hz 二次負担 40 VA ~ 2 VA (5 A) 力率 1 |
5 000 A 以下 0.1 A 以上 |
比誤差 0.01 % 位相角 0.4 分 |
九州支社 | 一般校正 |
周波数 50 Hz、60 Hz 二次負担 50 VA ~ 2 VA (5 A) 力率 1 |
3 000 A 以下 0.125 A 以上 |
注 比誤差 0.01 %~0.6 % 位相角 0.5分~6分 (3.0級については 不記載) |
注:九州支社は、試験精度で校正証明書を発行
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