ストップウオッチのJCSS校正について

JEMICでは、ストップウオッチのJCSS校正を実施しています。

ストップウオッチは、大別すると機械式とクオーツ式の二つの種類があります。

機械式は、機械式腕時計と同じ原理で動作し、スタート及びストップ機能についても押しボタン等の機械的な仕組みで動作することが一般的です。これらの機能の具体的な構造は、製造者や機種ごとに異なり、多くの種類のものがあります。

一方、クオーツ式は、水晶振動子の逆圧電効果の原理で動作し、水晶振動子の特徴である安定的な発振周波数を基準として時間の計測を行う方式です。なお、ストップウオッチで用いられる水晶振動子の発振周波数は、約32.768 kHzで動作するものが多く、比較的コストパフォーマンスに優れている部品であるため、現在は、このクオーツ式のストップウオッチが主流となっています。

ストップウオッチの校正は、以下の2種類の方法で実施しており、機械式は主に1の方法、クオーツ式は主に2の方法で行っています。

  • 1.基準となる周波数カウンタの測定ボタンと測定対象のストップウオッチのスタートボタンを同時に押し、校正点の時間(任意)になったら測定ボタンとストップボタンを同時に押してそれぞれの表示(時間)を比較する方法
  • 2.「歩度測定器」と呼ばれる測定器を利用して、歩度を測定する方法
  •  ※歩度とは、「精度を短時間に測定し、1日当たりの進み遅れに換算した値 -JIS B 7001- 」一日当たりのずれの測定のことをいう。

1の方法は、測定者による個人差が校正結果に影響を与えるため、JEMICでは、不確かさとして評価しています。なお、測定者による不確かさの要因については、支社単位でスタート及びストップ操作をプッシュソレノイドにより行う測定装置等を開発し、個人差の影響の軽減に努めています。

ストップウオッチのJCSS校正をご検討される際は、是非一度、お問い合わせください。

 

(2023.12 T)

JCSS校正の範囲

時間間隔(押しボタンのオン・オフ時間)1 s以上 3 600 s以下(600 s以上は要相談)

拡張不確かさ(信頼の水準約 95 %)
本社 中部 関西 九州
0.09 s 0.10 s 0.09 s 0.09 s

 

歩度(一日当たりのずれ)

拡張不確かさ(信頼の水準約 95 %)
本社 中部 関西 九州
0.006 s 0.05 s 0.023 s 0.05 s

 

校正結果の記載例

      時間間隔の場合                             歩度の場合

時間間隔             歩度

 

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