皆さん、アース導通試験を実施したことはありますか?
アース導通試験とは、電気製品の電気的な安全性を確認する試験であり、人体の接触可能な金属部(筐体等)が確実にアース(保護接地)されているかを確認するための試験です。電気機器の故障などで、万が一危険電圧が接触可能な金属部に発生したとしても、人体の抵抗よりも低い抵抗でアースされていれば、人体を通して電流がほとんど流れず、感電から生命を守ることができます。
そのため、IEC/EN 61010-1 計測機器規格、IEC/EN 60601-1 医用機器規格、IEC/EN 60950-1 情報技術機器規格等で規定されている試験で、とても重要なものです。
例えば、IEC/EN 61010-1 計測機器規格におけるアース導通の試験方法は、保護接地端子と金属外装など接触可能な金属部間へ電流(一般的な電流値:25A)を通電し、生じる電圧降下からインピーダンスを算出して、十分に低い抵抗(インピーダンス)でアースされているかを確認するものです。
その際に使用される測定器がアース導通試験器です。
アース導通試験器は、一般的に以下の機能を備えています。
上述の機能のうち、設定や表示した電流等が適正に出力されていることを確認するためにアース導通試験器の定期的な校正をお勧めします。校正されたアース導通試験器を使用して各規格のアース導通試験を適切に実施することが、電気製品の電気的な安全性の確保につながるのではないでしょうか。
JEMICでは、アース導通試験器の抵抗測定機能については0.001 Ω~2 Ω(50 Hz、60 Hz)、電流出力については3 A~60 A(50 Hz、60 Hz)の範囲で校正を行っております。一部JCSS校正が可能な校正範囲もありますので、アース導通試験器の校正をご検討される際は、是非一度、お問い合わせください。
(2024.3 G)
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